あふれる緑 シリーズかわさきの公園 菅生緑地 宮前区

市道尻手黒川線の清水台交差点近く、横浜市との市境に広がる菅生緑地。これまで親しまれてきた東地区に加えて、昨年秋には「里山」をイメージして整備された西地区が部分的にオープン。さらに楽しみが増え、より多くの人々の憩いの場として期待されているスポットです。

市中央卸売市場北部市場の南側に位置する東地区は、敷地の外周から中央に向かって低くなっている
"くぼ地" 状の地形が特徴的。この地形のおかげで、敷地の北側に沿って道路が走っているにも関わらず、中央の広場では車の騒音がほとんど聞こえることがなく、むしろ静かなほど。その静寂の中、のびのびと駆け回るチビッコと、南側の斜面で草ぞリ滑りに興じる元気な子供たちの弾む声が響きわたります。春の日差しに目を細めながらぐるりと辺りを見回してみると、舗道に沿ってのんびりと散歩を楽しむ年配のご婦人や、ベビーカーを押した親子連れ、小走りのカップルなど、さまざまな人が昼下がりのひとときを思い思いに楽しんでいます。
子供たちのそり滑りを横目に斜面を登ってみると、これが意外と高い! 横には「縄文やぐら」と名付けられた遊具があり、足をかけるとワクワク感が湧き上がってきます。その向こうには広場が見渡せる展望台が設けられており、遠くを眺める分には問題ないものの、真下をのぞくとちょっとした緊張感が…。高いところが苦手な方は下を見ないようにご注意を!広場の東側にこんもりと盛り上がった雑木林には、コナラやクヌギ、シデなどが自生しており、足元にはどんぐりや栗のイガが見られます。北側には、ソメイヨシノやヤマザクラを中心とした桜が数多く植樹されており、お花見の時期ともなれば、大勢の見物人の目を楽しませています。
さらに、敷地の南西側には、ザイフリボク(采振り木)という、近隣ではあまり見かけない木も植えられています。花の形が“武将の采配”に似ていることから名前が付いたというこの木は、別名をシデザクラといいますが、白くて細長い花が一般的な桜の花のイメージと違うためか、「何の花ですか?」という問い合わせが寄せられるとのこと。敷地内に9本植えられていますので、開花(4月)に合わせてぜひ探してみてください。
ここで真っ先に利用者を出迎えてくれるのは、メインの出入口右手に並ぶ、大きな2本のヤマザクラ。開花の時期には、この桜のみごとな姿が必見です。シンボルツリーのエノキが植えられた「エノキ広場」を回りこむようにゆるやかな舗道を下っていくと、右手奥に雑木林、その先にはススキやササが生い茂り、「こんな風景あったな」と遠い記憶を重ねることしばし…。
さらに進むと右手に池が2つ。この池は、西地区を中心に活動している市民ボランティアグループ「水沢森人(もりんど)の会」のメンバーが中心となり、ビオトープ池として掘ったもの。
ビオトープとは、ごく簡単にいうと「野生の動植物が共存する空間」のことで、この池では昨年、メダカ、オタマジャクシ、ヤゴが季節ごとに元気に泳いでいました。舗道の正面にはうっそうとした竹林が広がり、中へ足を踏み入れると周囲の音を吸収したかのような静寂さ。竹に覆われて太陽光が地表まで届かないため、暑い夏でも涼しく過ごせそうです。
竹林を抜けた西側には、近隣の小学校や水沢森人の会のみなさんが育てているどんぐり畑があり、小さな苗木に育っております。ここでは以前からどんぐりが育てられ、敷地内に植栽しただけでなく、各区の健康の森へ提供したこともあるそうです。いま土の中で眠っているどんぐりは、将来どこで大木に成長するのでしょうか。
この春には、これまで続けられていた竹林周辺の整備がおわり、開放区域が約2倍に広がります。南西側の外周には竹林へのアプローチとなるウッドデッキが設けられ、竹林の中には散策路が完成しますが、整備は今後も続けられる予定です。
西地区の開放前から、笹刈りや竹林の間伐、植栽や池の手入れなど、地道な活動を続けている水沢森人の会のみなさん。彼らに敬意を表しながら、後世に伝えたい風景の1つとして、マナーを守って大切に利用していきたいものですね。
川崎市西部公園事務所
矢口菊子さん
矢口菊子さん
西地区ではペットを連れては入れませんが、東地区でもペットの綱をはずしての散歩は禁止されていますので、引き綱は絶対にはずさないでください。小さなお子さんや年配の方もご利用される場所ですので、お互いが気持ちよく安全に利用できるよう、「水沢の森」からのお願いとあわせてご協力をお願いします。